3月18日に行われた「世界の医療と、国際政治」サミットは、とても濃い中身の話が聞けた。
たくさんありすぎて、全部はとても理解しきれなかったけど、DVDか何かで販売してくれないかなと思うくらい、グローバルヘルスに関する大事な要点と課題が詰まっていたように感じた。
この日は深見東州先生と親しいピーター・ピオット博士の講演もある予定だったけど、それは急遽、都合で来日ができなくなったそうだ。その代わりビデオで、ピーター・ピオット博士による、基調講演となるような話を聞けた。
ピーター・ピオット博士は、深見東州先生とも親しく、カンボジアのハンダファウンデーションの総裁も務めているそうだ。そして、ロンドン大学にピオット博士を迎える講座を、世界開発協力機構が寄付したということだった。
このピーター・ピオット博士は、世界の感染症を始め、医療に多大な貢献がある人で、医療と国際政治の専門家としてかけがえのない人になる。
当然、これだけ感染症が世界的な問題になり、政治的な課題となっているわけだから、世界中の元首とのつながりも深く、国連では事務次長も務めてきたそうだ。
深見東州先生によると、世界医療界のスーパースターと言える方だそうだ。
今回は、事情で残念ながら来日できなくなったけど、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の元理事のティム・ランケスター卿や、上級講師のハイジー・ラーソン医師は、来日されてお話をされた。
あと出席者は、グローバルヘルス技術振興基金CEOのスリリングスビー氏、英国ハリー王子とレソトのセーイソ王子が創設して、世界開発協力機構(半田晴久総裁)が支援するサンタバリーという慈善団体のCEOとして現場にあたるキャシー・フェリア氏、カンボジアのハンダファウンデーションが運営するカンボジア・バッタンバンのハンダメディカルセンターの院長を務めるゲーリンダ・ルーカス医師らが来日していた。
日本からは、人間の安全保障議員連盟の会長もしている高村正彦自民党副総裁、そして、その高村議員の推薦で元厚生労働大臣の武見敬三参議院議員、そして舛添要一都知事、元外務副大臣の城内実衆議院議員らが参加した。
みんな、それぞれの立場から医療のことに関して、とても詳しい専門知識を持っていた。
特に舛添知事と武見議員の話は、難しい問題をできるだけわかりやすく話してくれたように思う。
感じたのは、世界の医療に関して正しい認識を持ってる人は少数の関係者くらいで、多くの日本人は、世界の現状を知らないなと思った。
もちろん自分を筆頭にだけどね。
エボラやデング熱、また鳥インフルエンザなど、日本でも大きく騒がれて話題になった感染症は幾つかあるけども、とにかく大変だということで右往左往するばかりだった気がする。
根本的に感染症と世界の現状がどうなっていて、その対策などがどのように進んできているのかなどは、報道やニュースでは全く表面的なものしか伝えない。
やはり今回のような専門家から、学術的すぎずにわかりやすく話してもらって、なるほどと理解が進むと思った。
それでも専門的な言葉を知らないと理解できない部分があるので、そこは、はじめに深見東州先生が、かいつまんで解説をされていた。
ところで日本では感染症がほぼ完璧に抑え込まれているから、そして国民皆保険で、安価に治療を受ける仕組みも整っているので本当に恵まれている。その代わり40兆の予算が費やされているそうだけどね。
でもそのおかげで、病気などの死亡者も激減してきた。ただし急速な高齢化社会へと突入している一因にもなっている。
なので、今までのような保険の仕組みでは、もはや持続できなくなってくるようだ。
そこまでは最近マスコミでも言われていることなので、皆わかっていると思うけど、アジアでも同じような急速な高齢化社会を迎える国がたくさんあることは初めて知った。中国だけではないんだね。
特に去年から今年にかけてが、働く世代が増えていた時代から65歳以上の高齢者が増えていく転換時期になるそうだ。ちょうど今だよね。
ところで途上国では、保険制度は十分ではない国がほとんどなので、日本のシステムが参考になると良いけども、日本は1961年には、その仕組みを作っていたそうだ。
しかし高齢化社会の到来により、従来のようなやり方では困難になってきたので、そこを新たに改革していかないといけない。
そして途上国は、日本の医療システムを学ぶと言っても、すでに高齢化社会を迎える国が多くなっているので、これから日本などが改革していくやり方なども見て、はじめから高齢化社会に適応できる医療システムを取り入れていくようにしなければいけないそうだ。
さしづめ日本では、これはすでにマスコミでも言われていることだけど、健康寿命を延ばすことになる。
今の日本は、平均寿命は世界トップクラスだけど、健康寿命は男性が約9年、女性が12.4年ばかり低くなる。
それだけ平均寿命と健康寿命の格差が開いているそうだ。せっかく長生きしても寝たきりとか、自分で自分の世話ができない人がたくさんいる。
ここが大きな課題になっている。
ということで医療に関しては、医療分野だけでなく、社会の人口動態や、経済における老後の働き方、また国際間の協力など、いろいろな分野を同時並行で横断して考慮しなくては解決できなくなっている。
それは世界の感染症対策や、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)というすべての人が医療サービスを受けられるというシステムの構築においても同じで、だからこそサミットでの最重要として近年取り上げてこられているのだろう。
とっても重要なお話と、その解決に向けての議論が白熱した、とても濃いサミットになった。
一緒に行ったワールドメイトの仲間もいたけど、みんな頭が飽和状態になってしまっていた。