日本における、過去最大の国際会議となったG20首脳会議が閉幕した。
いまさらだけど、表向きはどうであれ、国益と国益が激しくぶつかる会議だったなと思った。
自由なデーター流通の問題にしても、反保護主義、WTO改革のことにしても、気候変動にしても、難民問題にしても、北朝鮮の非核化にしても、これだけ国と国との主張に隔たりがあると、あるいはトップの考え方が違うと、全体でうまくまとまる気がしないよね。
その中心にいるトランプ大統領の米国による、圧力や制裁といった、かなり力づくのやり方で今の世界情勢は進んできて、世界的にいろいろなところで亀裂や分断が進んでいるんだなと感じた。
【地球環境とトランプ】大阪のG20は、地球温暖化やCO2削減のパリ協定にふれず、パリ協定から勝手に脱退したトランプにおもねるものになっている。だが、マクロン仏大統領は「パリ協定に触れないならG20共同声明には賛成できない」と宣言した。共同声明を出せるのか。https://t.co/SstODT9KGH
— 金子勝 (@masaru_kaneko) June 28, 2019
個々の問題については、複雑で何が正解なのかわからないものも多いけどね。
そんな中で思ったのは、各国首脳同士が、個々の関係のすべてではないだろうけど、あまりお互いの人間関係ができてるようには感じなかった。
表面だけは、ある程度良好そうには見えるけどね。今に始まったことではないのかもしれないけど、国力がある国同士の仲ほど、何か大きな壁があるのかな。
米国、中国に追加関税課さずhttps://t.co/YorgZeUMyO
→トランプ政権が課すとしてきた約3000億ドル(約32兆円)分の「第4弾」の制裁関税はこれにより回避された。#G20 pic.twitter.com/jHwMg5nTWF
— 産経ニュース (@Sankei_news) June 29, 2019
以前、深見東州先生が、アセアン諸国のことについて語られたことがあり、その良いところとして、頻繁に会合があるため、お互いに相手のことを深く知ることができている、みたいなことを言われていたように思う。
その時は、国を代表する政治家同士において、人間関係を互いに築くことのもたらす意味がよく理解できなかった。
トップ同士の人間関係ができていてもいなくても、国同士の取引や交渉なんだから、そこまで影響ないと思っていたから。
でも、最近の国際情勢を見るにつけ、実はトップ同士の人間関係というものが、非常に大きな意味があるんだなと思うようになった。
特に今は、世界一の大国でありながら、世界中の多くの国からやりにくいと思われているトランプ大統領と、日本の安倍総理の仲が本当に良いように思えるので、日本の立場が世界でかなり向上していることに気が付いた。
昨夜のG20晩餐会、産経新聞掲載のこの写真は面白い。安倍・トランプ・プーチン3首脳が並んで談笑するが、トランプの向かい側に座っているのは習近平。プーチンを習近平から引き離して「日米側」に座らせ、習近平の目の前で日米露3首脳の親密ぶりを演じてみせたのは、実に凝った趣向ではないのか。 pic.twitter.com/5gTqXlTtUG
— 石平太郎 (@liyonyon) June 28, 2019
たとえば以前だったら、中東に関する問題に、日本が直接交渉に出向くなんてことは考えもしなかった。
イランを訪問し、最高指導者ハメネイ師が会ったことにも驚いたけどね。それだけでもかなりの成功だったと思うけど。
そもそもアメリカとイランの問題に、日本が仲介するなんて誰も思ってもなかったと思うけど、でも、そんな役割をイランからも要請され、サウジなどの中東諸国も、アメリカも望んでいたなんて、これまでの日本の立場では考えられないようなことが起きている。
まぁ、マスコミは相変わらず、交渉は失敗だったとか、中東問題の初心者だとか、表面的なことしか書いてないところもあったけどね。
イランの副大統領が今月来日した時、「ハメネイ師もロウハニ大統領も安倍首相に敬意を抱いている。イラン国民も尊敬している。訪問は成功裏に終わったと評価している」と述べていた。引き続き日本政府の理解を求め、安倍首相にも、ミッションは難しいものではあるが、不可能なことではないと、暗に期待している面が感じ取れるような発言をしていた。
結局、北朝鮮に関する問題も、まだまだ解決には至らないものの、トランプ大統領の介入によって、長く膠着していたものが活発な動きになっているのは事実。
中国との関係もずっと悪化していたけど、米中の貿易問題のこともあってか、中国側から日本にすり寄ってくるという、思わぬ展開になってきた。
それらは、トランプ大統領と安倍晋三総理の人間関係ができていたから、そうなったとばかりは言えないけど、でも、直接・間接的に関係があるように思えてならない。
28日開幕した主要20カ国・地域(#G20)首脳会議。各国首脳らが大阪城を背に記念写真に納まりました。
写真特集→https://t.co/MaIcUArHKr pic.twitter.com/eubnvbZGEl
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) June 28, 2019
国と国との交渉とはいっても、あるいは先日開催されたG20世界宗教サミットでも思ったけど、違う宗教と宗教が、違う国と国とが、違う立場の人たち同士が、難しい問題を話し合って、解決していく基本には、トップ同士、話し合いをする人同士の人間関係がなくてはならないと思った。
やっぱり国や宗教といっても、すべて人間が主体となっているものなので、そこから生じた問題の解決も、互いの人間関係が基本になるんだなと理解できた。
それにしても、トランプ大統領が、今朝思いついたと言って、南北の非武装地帯で会談するなんてことを言い出してたけど。
日本滞在中に思いついたのなら、いい結果になるといいけどね。
【速報 JUST IN 】北朝鮮高官「興味深い提案」トランプ大統領の面会呼びかけに #nhk_news https://t.co/Tct1zC8Q96
— NHKニュース (@nhk_news) June 29, 2019
あと、トランプ大統領は、やけに元気そうに見えたけど、プーチン大統領と習近平国家主席は、なんとなく以前のような迫力や覇気を感じなかったのは気のせい?
疲れていたのかな。