世界の気候は、大きな転換点を迎えつつあるという見方が、気象研究者の間で広がっているらしい。
現在発生中の顕著な「エルニーニョ」が引き金となって、過去十数年間に比べ地球温暖化が進む可能性があるそうだ。
工業化以降の過去百数十年間の地球平均気温は温暖化のため上昇しているが、細かく見ると気温の変化は熱帯太平洋の水温に連動する。海洋研究開発機構アプリケーションラボの山形俊男所長によると、エルニーニョが目立つ時期は気温の上昇ペースが速く、ラニーニャ傾向の期間は鈍る。実際、ラニーニャが目立った2000年代は地球平均気温の上昇がほぼ止まったように見え「ハイエイタス」(中断を意味するラテン語)と呼ばれた。米国などで一時、温暖化懐疑論や過度の環境対策への批判が強まったのは、ハイエイタスも一因とされる。
ワールドメイトで、それとなく言われていたことが、だんだん研究者の間でもささやかれだした気がする。
温暖化のメカニズムは複雑でわからない部分が多い上に、長い期間研究が積み重ねて来られたわけでもなく、わりと近年の研究が中心だから、科学的な結論を出すのはなかなか困難なのだろう。
当然正確な予測も不可能に近いと思う。
それでも、ようやく温暖化懐疑論よりも、まちがいなく危機が迫っているという警告を、各国が重視しはじめたことはまちがいないよね。
ただし、時間の猶予がまだあるかのような錯覚もあるし、急速に抜本的な対策がとられるとはなかなか考えにくい。
気がついたら、すでに手遅れだったとならないことを祈るばかりだよね。ワールドメイト会員も、そこを懸念する人が多い。
その記事に書かれているのは、最近までは、ラニーニャ現象の傾向が強かったということだ。
2000年代に入って、比較的気温の上昇が無かったかのように見えるのは、このラニーニャがエルニーニョよりも強い傾向があったからだと言っている。
エルニーニョとラニーニャは、交互に出現しているのが知られているけど、1998年のエルニーニョ現象以降に発生したエルニーニョは弱めのエルニーニョだったそうだ。
ラニーニャ現象の場合は、強めのラニーニャが発生していたと考えれば、この10数年はラニーニャ現象の傾向が強かったと言えるのかもしれない。
世界の平均気温の上昇が、1998年以降、2014年まで実質的に無かったというのは、それだけが原因とは思えないけど、有力な原因の一つではあったのかもしれない。
それで問題は、今発生中のエルニーニョが、史上最強のエルニーニョになる可能性が高いと言われていることのようだ。
そして今後もエルニーニョ現象が強くなる傾向が続くだろうことを、確実視しているようだ。
現在、確実に海水温は上昇しているので、もはや海洋が大気を冷やすという温暖化抑止の役割を果たせなくなるとの指摘はある。海が熱を吸収し、温暖化の進行を遅らせてきたのも、もう限界なのではという説を8月に紹介した。
観測史上最強のエルニーニョが発生する? 過去65年で最も大きな気象変化が
今年の日本の猛暑はとにかく酷かった。 これも、地球温暖化とつながっているのだろうけど、かなり深刻になりつつある。 ワールドメイトも、10年くらい前から温暖化のことを懸念しているけど、最近になって一段と ...
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今年の8月の世界平均気温も、7月に続き過去最高を記録しているのがわかっている。
あきらかに去年から、平均気温の上昇傾向が強くなっている。
去年の6月からスーパーエルニーニョが発生していて、今年になってからは、さらに強くなっているというのもわかっている。
今後の状況次第とはいえ、このままでは、温暖化が一気に進むのではないかという懸念が出てきたのもうなずける。
10年くらい前からワールドメイトでは言ってきたけど、温暖化対策、猶予なしというのが、最近はかなり認識されつつあるのは感じるけど、まだまだだと思える。
ことし11月の国連の気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で、抜本的な解決へ転換できる可能性は、かなり少ない気がする。