別府といえば、やはり別府温泉郷で有名だよね。
その温泉は、昔は別府市と由布院温泉がある由布市まで含めて別府十湯(べっぷじっとう)と呼ばれていたそうだ。
それだけこの地域には、温泉街がたくさんあるってことだよね。
湯布院温泉郷は由布岳の西側山麓に広がり、別府温泉郷に次ぐ湧出量になる。
別府温泉郷は、由布岳の隣の鶴見岳と、その北にある伽藍岳の東側山麓に広がっている。
由布岳は信仰の山として昔から崇敬されていて、9万年前、鶴見岳と同じ時期から火山活動を開始した。
2200年前に大きな噴火がおきて以降は、噴火していないらしいけど。
鶴見岳も信仰を集めていて、平安時代に噴火して以降も、現在も活火山として噴気が上がったりしているそうだ。
源泉数、湧出量ともに日本一と言われる別府温泉郷の源になるだけあって、火山活動も活発なんだろうけどね。
ワールドメイト的いうと鶴見岳よりも別府温泉郷がパワースポットになるそうだけど。
別府温泉郷でも、鉄輪温泉(かんなわおんせん)は蒸し湯で有名だけど、ここは一遍上人が鎌倉時代に開いたといわれている。
上人が「遊行」で別府に来た時に、お告げを受けたらしいけどね。
鉄輪では地面からの噴気や熱泥で、さながら地獄の有様のようで村人たちが苦しんでいたけど、それを鎮めたそうだ。
ただ、どうしても噴気が止まらない場所があったらしく、お告げに従いそこに「むし湯」を作ったそうだ。
そこには不思議な力が宿っていて、病気やケガを癒したとの言い伝えが、大正時代に書かれた「鉄輪温泉由来絵とき法話」に書かれているそうだ。
鉄輪むし湯では、8畳ほどの石室に石菖(せきしょう)という薬草を敷きつめ、そこで横たわる薬草蒸し風呂がある。
あとは地獄めぐりも有名だよね。
地獄と名のつくものがいくつかあるけど、柴石温泉付近の血の池地獄と龍巻地獄がとても素晴らしいようだ。
温泉としては初の国の名勝にもなっている。
血の池地獄ってほんとに赤いけど、これは酸化鉄や酸化マグネシウムを含んだ赤い熱泥が地層から噴出し堆積したものだそうだ。
最新部は30メートル以上と言われ、そこから熱泥が湧き出してくる。
その付近はかなりの高温になるようだけど、一応湯温は約78度ということだ。
昔はよく爆発もしていて、周囲に被害をもたらしていたらしい。
その血の池地獄のすぐ近くにある龍巻地獄は、間欠泉になるけどね。
地下深くから150度の熱泉が上昇し、一旦空洞で溜まったのち、再び上昇しながら気化現象をおこして、100度の熱湯が爆発的に噴き上げられるらしい。
勢いよく50メートルも噴き上がるため、飛び散らないように石で囲われているけどね。
30分から40分という短い周期で噴出する、世界でも珍しい間欠泉になるそうだ。
「豊後国風土記」によると、1000年以上前、別府の地は噴気・熱泥・熱湯などが噴出して近寄ることができない土地だったらしい。
そこから「地獄」と呼ばれるようになったらしいけど。
明治になってからは開拓が進んで観光地になっていくけど、戦時中は療養地になっていた。
幸い戦火を逃れ、終戦後はさらに開拓が加速したそうだ。
そうそう、別府に行くなら、高温の噴気で蒸した地獄蒸しプリンも外せないよね。