久々に地球温暖化の話題を。
世界中が注目していた国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)だけど、去年の11月30日から、12月12日まで延長されて行われた。
予想通りとても難航していた。
会議の直前にNASAから、南極の氷は減少していない、かえって増えているというデーターが公表され、これで地球温暖化に懐疑的な人たちの意見がまた強くなるのかなと、ワールドメイト会員の中にも心配してる人がけっこういた。
まず今回の会議には196か国が参加し、うち150カ国の首脳も参加したということで、地球温暖化への対策が世界的に取り組むべき最重要課題の一つであることを、世界中の人々にアピールできたと思う。
そして、会議は簡単にはまとまらないのはわかっていたけど、先進国や発展途上国の枠を超え、196ケ国の国々がすべて削減へ取り組むという大きな壁を越した合意になったことは素晴らしいと思った。
過去には、先進国が責任持って取り組むべきだという強行な意見もかなり支配していただけに、そういう意味では歴史的な合意になったと言える。
これからは世界中の国や自治体でも、温暖化ガスを出すことは良くないという方向に進むことになる。
もちろん、急激になくすことは現実的に不可能であり、事前に185ケ国の自主目標が出ているものの、それらを足し合わせても全然足りないと言われていた。
産業革命前に比較して世界の平均気温上昇を2度未満(1.5度に抑える努力を付記)に抑え、21世紀後半には、排出量ゼロ(排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ)にするという長期目標が設定されたので、それに向かって今後のさらなる努力が必要になる。
そのために、各国は5年ごとに自主的に定めた目標を見直し、前回の目標よりも野心的にすることが定められた。それを2013年から5年ごとに点検する制度もできた。
他にも紛糾した資金援助の問題など、法的拘束力はない合意ながらも、先進国の拠出金額目標も設定された。
ということで、大きな方向性で合意できたことを評価し、前に進むしかないのかなというのが感想だけど、目標を達成することが、今のままでは困難なことは、どの国もわかっているようだ。
ようやくスタート地点にすべての国が揃って立ったという状況なのかもしれない。これからにかかっているよね。
ところで数日前に、米国の研究チームが、「1865年以降の世界の海洋による熱の総吸収量の半分は、1997年以降に蓄積したと推計される」との研究成果を発表した。
また、最近の熱蓄積の3分の1は、日光が届かない水深700メートル以上の深海域で起きていることを発見したそうだ。
これが何を意味するかというと、21世紀に入って、なぜか世界の気温上昇が停滞したのは、これで説明がつく可能性があるそうだ。
一部には、温暖化はしていないとする説も出ていたけど、そうではなく、英気象庁の気象学者は、「気候変動の兆しが時間とともに強まり、深海にまで届くようになっていることを示している」と指摘したそうだ。
より深海にその熱が貯められていたことで一時的に気温上昇の停滞が起きていたとするなら、地球温暖化の進行が止まっていたわけではないのに南極の氷が増えていたことも説明がつくかもしれない。
しかし気温の停滞もいつまでも続くとは思えないし、実際に、去年一年は最強のエルニーニョ現象が発生中とはいえ、圧倒的に過去最高の平均気温を記録しているだけに、ちょっと怖い気がする。
海がその熱のほとんどを取り込んできたとしても、それが一定に達した時、地表の気温上昇が止まらなく恐れがあり、そうなればもはや打つ手は無くなるのかもしれない。
ワールドメイト会員も、そんなことにならないように願う人は多いけど、今後の世界各国の協力と進展に注目したい。