今回の、ワールドメイトで聞いたパワースボットは三重県の英虞湾。
ここは真珠の養殖でも、とても有名なところだ。
美しいリアス式の海岸に、大小50あまりの島々の景観が美しい。
夕日もきれいに映える。なんとなく、懐かしいような田舎の風景。
約125年前に御木本幸吉が、英虞湾の阿児神明町(当時は神明浦)に真珠養殖の実験場を作り、そして大変な苦労をしながら、真珠養殖に成功していく。
それまでも真珠の養殖は中国で行われていたらしいが、現実には、わずかな確率でしか取れなかった天然真珠が世界で取引されていた。
だから、この御木本幸吉の養殖の成功は、世界の歴史を変えてしまうことになる。
1930年代前後に、世界の真珠の9割を日本の養殖真珠が占めはじめると、それはペルシャ湾でとれる天然の真珠を重要な産業にしていたクェートを直撃した。
クェート政府はイラクやバーレーンで石油が発見されたことから、石油の利権を米英などの企業に付与して開発をすすめ、世界第2位の巨大油田を1938年に掘り当て、第2次世界大戦後は石油産業が主となった。
そうして中東の安価な原油の大量供給により、戦後の世界にエネルギー革命が起きることになる。
つまり、真珠の養殖の成功が、その石油エネルギーの時代にシフトしていく、大きなきっかけになったと言える。
そして、石油そのものは日本では採れないけど、石油化学製品、造船業、自動車産業などによって、日本の経済も大きく繁栄した。
ということで、真珠の養殖に成功したのは御木本幸吉の執念の努力の結果だけどね。そんな成功の背景には、英虞湾という、もともと天然の真珠がとれる地域の存在があったといえる。
英虞湾は、個人というか、そんな国全体が繁栄するパワースボットと言えるのかもしれない。
サミットの主要会場となる予定の賢島。橋など出入り口が限られ、警備がしやすいとされる
ところで昨日、来年の日本でのサミットが、英虞湾最大の島である賢島で開催されることが決まった。
ちょうどワールドメイトで英虞湾の神事の予定が出た後しばらくして、志摩が候補地になっていることが報道されていたけどね。
結局「伊勢志摩サミット」という名前も決まり、来年の5〜6月頃に、阿児神明町からも近い賢島のホテルで開催される。
首相も、「大小の島々、美しい入り江、日本の原風景とも言える自然がある」と説明し、また、隣接する伊勢神宮にも言及し、「悠久の歴史を紡いできた。日本の精神性に触れていただくには大変良い場所だ」と述べたそうだ。
伊勢神宮に行くかどうかは別として、日本古代からのもっとも大事な場所のひとつで、G7サミットが開催されるのは、意味がある気がする。
それにしても、このあたりはワールドメイトで何度も行った。賢島もだけど、合歓の郷もなつかしい。