今日は、手つかずの大自然が残る日本最大の湿原、釧路湿原を紹介。
ワールドメイトで行ったのは15年以上前になるけど、ここも素晴らしいパワースポットだった。
この1万8千ヘクタール以上に及ぶ広大な湿原と、それを取り囲む丘陵地は、釧路湿原国立公園に指定され、現在では厳しく開発を制限されている。
釧路湿原は、何よりも水平的に広がる緑の草原の景観が有名だよね。そして蛇行した川というイメージがあるけど。
湿原の多くはヨシ・スゲなどの低層の湿原で、水と陸の中間のような冠水した環境になっているそうだ。
そして、湿原でも成長できる高木として、ハンノキが林を形成していて、それが湿地面積の3割くらいにまで増えているそうだ。
ちなみにスゲが塊となって谷地坊主と呼ばれるものが、ここの名物の一つになっている。
釧路湿原は泥炭地なので、一応燃料にもなるそうだけど効率は悪いし開拓も困難という事で、昔は役に立たない不毛の大地とみなされていたらしい。
しかし戦後になって開発が進み、湿原面積の減少や乾燥化も進んだため、地元で湿原の自然環境保護の運動が高まり、その結果、国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的としたラムサール条約の、日本初の登録地になったそうだ。
ちなみにその後は、日本の50箇所がこの条約湿地に登録されている。
正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」というそうだけど、この釧路湿原には、鳥類だけでも200種類も生息しているそうだ。中でもタンチョウ(丹頂)の生息地として特に有名だよね。
タンチョウは学名がGrus japonensisなので日本産のツル科、「日本の鶴」という意味になるけど、日本を象徴する鳥として親しまれているよね。
余談だけど、ワールドメイトで釧路に行った後くらいかな、中国において圧倒的な人気で丹頂鶴を国鳥にしようという議論があったらしい。だけど学名が「日本の鶴」じゃまずいってことになりボツったそうだ。
また、次に人気の候補はトキだったらしいけど、これも学名が「ニッポニア・ニッポン」なので、やっばりダメになったという笑い話のような事が起きていた。
結局、その後はスズメが人気ナンバー1になったものの、平凡すぎるということで、今でも国鳥は決まってないらしい。ちなみに日本の国鳥はキジなんだって。
それにしても、日本ではタンチョウは絶滅したと言われていたのに、それが1924年にこの釧路湿原で発見され、冬場の給餌など手厚い保護を受けて、今では1500羽以上が北海道に生息していると推測されているそうだ。
この釧路湿原を奥に進んだところにある鶴居村では、ほぼ一年を通してタンチョウを見る事ができる。越冬場もあるので、特に冬はたくさんのタンチョウが集まってくるそうだ。
その鶴居村には宮島岬とかキラコタン岬という名所がある。なぜ岬なのかというと、昔この湿原が海だった頃は、ここが岬だったからだそうだ。
2万年前までは陸地だったけど、1万年から6千年前は海だったそうだ。その後海水が引いて行き、3千年前くらいには、今のような形になったようだ。
そのころの海だった名残りが、塘路湖などいくつかの海跡湖として残っているし、また周りを台地や丘陵に囲まれているのも、当時は、海岸が侵食されて崖になっていたのだろうと言われている。
今はその丘陵に、複数の展望台が設置され、そこから釧路湿原の景色を堪能できるようになっている。
ただこのキラコタン岬は、「湿原の聖域」と謳われ、先端部分が国の天然記念物区域に指定されているため、勝手には入れないそうだ。
また近くの宮島岬も、国の天然記念物区域に指定されている。ここは標高が高くて、その分眺望も別格らしいけどね。
最近、この宮島岬のそばを流れる雪裡川周辺の特別保護区に、違法に木道が設置されていた事が発見され、問題になっていたけどね。とんでもないことをするよね。
釧路湿原駅から歩いて行ける細岡展望台からは、蛇行した釧路川や正面に宮島岬とキラコタン岬、遠くに雌阿寒岳など、雄大なスケールで眺望できる。
秋になると、夏の緑がすっかり黄色に染まって行く。
秋の釧路湿原も、とても美しいことを知った。
夏の輝くような緑も好きだけど、秋の紅葉も綺麗だし、どの季節にきても感動しそう。見所がたくさんあるよね。
冬景色がまたなんとも言えないほどの神々しさを醸し出しているよね。
忘れてならないのが、夕日の景観。日本にもこんな雄大な自然があるんだよね。
細岡展望台からの景色も、夕日の絶景ポイントと言われている。
釧路湿原の北部に隣接するコッタロ湿原は、エゾシカや野鳥にたくさん会える、原生のままをとどめる場所で、低層湿原なのでタンチョウの生息地にもなっているそうだ。
釧路川水系の、血管のようなたくさんの支流の一つ、コッタロ川には日本最大の淡水魚、幻の魚と言われるイトウも住んでいるらしい。
それから海沿いの釧路市では、春頃から徐々に海霧が発生し、初夏から夏には特に多く、昔は年の3分の1近く霧が発生していたそうだ。
最近はかなり減っているそうだけど、それが海から釧路湿原を経て摩周湖までいくこともあるらしい。
初夏から夏にかけては、幻想的な霧の釧路湿原が見れるかも。
また、釧路川は屈斜路湖を源に、海に注ぐまで全長154kmの本流にダムがないため、カヌーの聖地としても人気らしい。
特に釧路湿原の塘路湖から細岡展望台あたりまでの釧路川は、高低差がほとんどないため、素人でもゆったりと楽しめるそうだ。
最後に、この釧路川の河口の釧路市は、夏の避暑地としても人気がある。
今年は7月から猛暑が続いた日本列島だけど、この釧路市の気温は盛夏でも30度を超える真夏日になることは滅多にないらしく、25度以上の夏日すらあまりないほどの天然の避暑地だそうだ。
どうかすると肌寒いほどで、朝晩などは長袖のセーターなどが必要になるらしいと、北海道出身のワールドメイト会員から聞いた事があった。
最後の1枚は、丹頂鶴の美しい姿でお別れ。
丹頂鶴は、先日新国立劇場オペラハウスで上演され、深見東州先生が解説されたオペラ「夕鶴」の元となった「鶴の恩返し」の物語に出てくる鶴だよね。