ワールドメイトと国内の動きや世界情勢

パレスチナ・中東情勢が緊迫してきた

北朝鮮問題に関しては、ワールドメイトでは米朝会談を始めとする北朝鮮との会話が、真の平和へと繋がるように祈っているけどね。

今年になって、平和に繋がる端緒は開いたとはいえ、まだまだ予断を許さない状況には変わりはないけど。

 

一方で、世界の大きな火種となるパレスチナ、中東問題が、ここにきて、さらなる混迷を深めつつある。

トランプ大統領は、昨年エルサレムをイスラエルの首都と宣言し、昨日14日には、アメリカ大使館をエルサレムに移転した。

また、イラン核合意からも離脱した。これは、多少の猶予期間があるとはいえ、今後イランとの取引がある企業にまでアメリカの制裁が行われる可能性が高く、非常に懸念されている。イランはアメリカに報復するとも言っている。

イラン核合意 米国離脱でどうなるのか - BBCニュース

 

米朝会談に向けて、北朝鮮に核兵器を完全撤廃させるための牽制と見る向きもあるようだけど。

 

それにしても、トランプ大統領というのは、驚くほど選挙公約を実行していくよね。

その中身の良し悪しを別にして、TPP離脱や、パリ協定からの離脱、なども実行に移してきた。中にはメキシコの国境に壁を作るとか、イスラム教徒の入国禁止、オバマケアの撤廃とか、抵抗にあってなかなか実行できないものもあるけど、ふつう、選挙公約に掲げても、当選すると現実路線に修正することが当たり前のように行われる中で、ここまで忠実に実行する政治家も珍しいよね。

国内支持者へのアピール、選挙対策だと言われているけど、強いアメリカへのこだわりからも強行しているのかな。

 

そして中東問題以外にも、ロシアがますます強権的なプーチン帝国のようになってきていることや、習近平国家主席に圧倒的な権威を集中させつつある中国のことも脅威に感じる。

習近平主席は強大な中華帝国を築いて、アメリカに変わる覇権を目指しているとかいろいろ言われてきたけどね。

プーチン大統領は、今年3月の大統領選挙直前のインタビューで核戦力について問われると、「誰かがロシアを破壊しようと決断すれば、われわれには報復する法的権利が生じる」「世界的規模の惨事になるだろう。しかし、ロシア国民として、また国家元首として『ロシアがない世界など必要ないではないか』と問いたい」と、自国を守るためには核兵器使用に躊躇しない姿勢を示したと言われている。

クリミア併合の時も核兵器を使う用意があったと発言していたからね。

そして、「世界的な傾向を見れば、ロシアとは同盟関係であった方が良い。われわれは大国だ」と、露骨な発言をする大統領だから、ある意味、最も怖い感じがするんだけど。

 

だから、金正恩の北朝鮮もしたたかで危険な国だけど、強烈な指導者が率いる大国が、それぞれ国益の追求や野心を秘めながら、互いに牽制し合っている(中露は接近しているとも見られているけど)国際情勢の中に、今の日本はおかれているわけだよね。

日本の外交の舵取りが、かつてないほど難しい状況にあるのは、容易に想像がつくよね。一歩間違うと、翻弄されて、将来が大変なことになるかもしれない気がする。

 

日米同盟はこれまでも基本路線だったけど、安倍総理とトランプ政権が特にうまくいってることは、アメリカ追従がいいとは思わないけど、現状の世界情勢をみれば有利に働いているよね。

ただ、エルサレムへの大使館移転とか、イラン核合意の放棄になると、賛同や追従はしないで欲しいけど。

 

その安倍総理はゴールデンウィークの中東訪問で、パレスチナやイスラエルを訪問していた。

あまり詳しくは報道されていないけど、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、日本にはとても好意的で、「平和と繁栄の回廊」構想が、和平を促進させる日本の努力を示し、和平へ向かう架け橋になっていると評価していた。

この日本の役割はパレスチナで非常に尊敬されているそうで、パレスチナにとっての持続可能な経済の構築や、他国との信頼醸成にも大いに役立っているそうだ。

 

かんたん説明

「平和と繁栄の回廊」構想とは、2006年7月に、当時の小泉純一郎総理が提唱した日本独自の中東和平支援策で、日本、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンの4者が協力し、パレスチナの経済的自立を促進することを目的としている。この構想の中核事業が、イスラエル占領下のヨルダン川西岸の「エリコ農産加工団地」で、パレスチナで生産された農産物に付加価値を付け、隣国ヨルダン経由で輸出する枠組みを作っている。そのおかげで雇用も増え、現在はステージ1で、今後ステージ2になると、数千人規模の雇用にも繋がるそうだ。

 

最新の動向ではないけど、説明の動画もある。現地の状況に根ざして、細やかな指導を含む地道な取り組みを行っている。

 

 

パレスチナは、穏健派のファタハと過激派のハマスに分断されて統治されていたけど、ようやく統一することに昨年合意したので、イスラエルとの交渉の環境ができつつある。

その一方で、ハマス以上の過激分子が登場してきているそうなので、そうなると交渉の余地はなくなり、過激なテロが広がる可能性もある。

それはイスラエル側にとっても困る事態になるので、交渉による対応を真剣に考え始める可能性もあるとの見方もあったようだ。

 

しかしエルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館を移転したトランプ大統領の、歴代米国政府のパレスチナ政策を転換する行動によって、すでに衝突や混乱がパレスチナ全土で始まっている。

今後のパレスチナ情勢、強いては中東情勢を大きく悪化させる可能性があると懸念されていたことが、現実になる可能性がある。

米大使館、エルサレムに移転=イスラエル軍銃撃52人死亡-式典開催、和平不透明に - 時事通信

 

 

安倍総理は、和平の実現には米国の役割が不可欠なので、トランプ大統領から和平の提案があれば、話し合いの席につくことが重要だと、両国に呼びかけたようだけどね。

トランプ大統領に、そんな和平案があるのかどうかわからないけど、あったとしても、それどころではなくなく可能性が出てきた。

アメリカ大使館の移転が、これ以上の大きな争いに発展しないことを願うしかないけどね。

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