新年最初の記事は、ホントは明るい話題にしたいところだけどね。
やっばりいま気になることを書いてしまうことに。
気候変動の問題については、正月のワールドメイトの神事の中でもずいぶんと懸念をされていたけどね。
去年の11月くらいからニュースで見てはいたけど、この年末年始の時期に、オーストラリアの森林火災が深刻なことになっている。
これも地球温暖化による気候変動の影響だとする意見が多いよね。もともとオーストラリアでは、12月から3月の夏季を中心に、原野火災(ブッシュファイア)がよく発生するそうだけど。
ところが今回の森林火災は、春先の9月はじめから被害が大きくなりだし、11月には本格化してすでに深刻な事態になっていた。
まだ人的な被害は今に比べると少なかったものの、延焼によってコアラの生息域が大きく減ったことなどが、大きな問題になっていた。
【コアラのルイス】
オーストラリアの山火事から地元住民によって救出されたコアラのルイス。
しかし重度の火傷のため、病院が選択したのは安楽死だった。 pic.twitter.com/LmFcvaCPSK— fildoffjapan (@fildoffjapan) January 7, 2020
コアラの動きはとてもゆっくりしていて、激しい火災が起きるとどうしていいかわからずに、たくさんのコアラが逃げきれないで焼け死んだり、煙に巻かれて死んでしまうそうだ。
コアラが食べるユーカリの木は、オーストラリアの森林の多くを占めるそうだけど、そのユーカリの木自体に可燃性の油が含まれていて、それも火が広がる原因の一つになっているそうだ。
しかし本当の原因は、昨年のオーストラリアの気候が、非常に雨が少ない、十数年ぶりの最悪の干ばつになったからのようだ。
特に9~11月は、全土の平均降水量が観測史上最低を記録した。
さらにオーストラリアでは、2018年と2017年が、観測史上3番目と4番目に暑い年になり、昨年は観測史上最も暑い夏になるなど3年に渡り高温と乾燥が続いた地域も多く、大地も木々もすっかり乾燥して燃えやすくなっていたそうだ。
乾いた大地に日が照りつけると、地表はひたすら熱くなっていくそうだから。
そんななか、夏本番前の11月初旬からの熱波で高温になり、そこに強風が加わったことで森林火災が激化。
特に東部ニューサウスウェールズ州では火災が制御不能になり州都シドニーが壊滅的な火災に直面しているとして、非常事態宣言が出され、600校が休校になるなど事態は一気に悪化した。
12月になると豪州の全国平均気温が観測史上最高の41.9度になる日が出るなど、全土が恐ろしい暑さに襲われる。
そんな最悪の猛暑と干ばつに加え、いつもなら南極海を通過する強力な西風が北に移動し、オーストラリア東南部に乾いた強い風をもたらしたため、いよいよ手がつけられない事態になっていく。
今年になっても熱波の影響は続き、シドニーやメルボルン近郊などでも47度近くを観測するなど、40度を超える地域が、いくつも出ているそうだ。
しかも、オーストラリアの本格的な夏は、まだ始まったばかりなのに、すでに日中の最高気温49.9度、夜間の最低気温36 度という最高気温記録が更新されたそうだ。
まだこれからが最も暑くなり、1月の下旬から3月にかけて最も森林火災が発生するそうなのに。
今現在は、こんな感じでオーストラリア全域で火災が起きている。
ワールドメイトに関係の深い、パース市付近は今のことろはそうでもないようだけどね。
The area of ground burnt in Australia is 60,000 km² and the smoke covers a truly enormous area of 5.5 million km². This is what this would look like over Europe.#climatechange #globalwarming #dataviz pic.twitter.com/2IutrztoNF
— Neil Kaye (@neilrkaye) 2020年1月3日
火災による大気汚染の被害も尋常ではなく、煙に覆われた面積も濃淡の違いはあっても、550万平方キロにも及ぶらしく、ヨーロッパを覆うほどの規模になる。
このツイッターでは延焼面積が6万平方キロになっているけど、7日現在では、8万平方キロ以上が燃え、25人が犠牲になり、数千棟の家屋が消失したと言われているから、被害はさらに大きくなっている。
8万平方キロといえば、日本の面積の5分の1以上、北海道の面積(83450平方キロメートル)に迫る勢いだけど、昨年のアマゾン熱帯雨林火災で焼失した面積を上回る規模になっている。
もっとも被害が大きいシドニーがあるニューサウスウェールズ(NSW)州では、今年になって、今回の火災による3度目の非常事態宣言が発令された。
すでに同州だけでこの4ヶ月間でコアラ8000匹が死に、哺乳類、鳥類、爬虫類の犠牲は5億匹に及ぶとされている。(昆虫類やコウモリ、カエルなどは含まず)
This the view from the top of the Tasman Glacier NZ today - whole South island experiencing bushfire clouds. We can actually smell the burning here in Christchurch. Thinking of you guys. 😢#nswbushfire #AustralianFires #AustraliaBurning pic.twitter.com/iCzOGkou4o
— Miss Roho (@MissRoho) 2020年1月1日
遠く離れたニュージーランドでもこれだから。ニュージーランドも南島が煙に覆われ、北島にも半分くらいまで及んでいるそうだ。
1万2000キロ以上離れた南米のチリとアルゼンチンでも煙が観測されているらしい。
首都キャンベラの大気汚染の度合いを示す指標は、今年、北京の2倍にも跳ね上がっているそうだ。
この激しい火災によって、火災積乱雲が発生し、強風と雷によって新たな火災も引き起こしているようだ。
この火災積乱雲によって発生する、恐ろしい、炎の竜巻も一部の地域で猛威を振るっている。これは突然発生するため、これに巻き込まれ亡くなった消防士もいるそうだ。
それにしても、ちょっと驚いたのは、こんな大変な時期に、オーストラリアの首相はクリスマス休暇をとってハワイで楽しんでいたそうだ。
そもそも、オーストラリアは、気候変動の取り組みには、あまり積極的ではないそうだ。気候変動の問題と、オーストラリアの自然環境の悪化の関連性を、かなり小さく評価しているようだ。
トランプ大統領は、温室効果ガスによる地球温暖化説を完全に否定しているけど、そこまではなくとも、気候変動対策のために、経済をダメにすることはしないと言っていたそうだから。
オーストラリアは石炭の輸出大国で、その経済的な利益優先と、石炭業界からの圧力によって、地球温暖化対策のための環境保護政策を進めて来なかったようだ。
それでも選挙に勝つということは、国民もそれを容認しているということになると思うけどね。
しかし今回、人口が多いニューサウスウェルズ州で深刻な森林火災が起き、多くの人々が深刻な大気汚染被害に直面しているので、今後は風向きが変わる可能性もあるよね。
環境対策をあまりしてこなかった政府に対し、厳しい論調で批判する人も多いようだし。
日本も、多くの原子力発電所が運転停止か定期点検中状態のため、今は化石燃料に大きく頼る結果になっているけどね。
福島で原発事故が起きたので、今後も大きく原子力発電に頼ることはないだろうから、早くそれに変わる安定したクリーンエネルギーを開発してもらわないといけない。
ということで、正月早々恐ろしいニュースになってしまったけど、最後に、英国のウィリアム王子夫妻が、環境問題解決のために、顕著な活躍をした人や団体を表彰するための大きな賞を創設したことを紹介して終わろうかな。
この「アースショットプライズ」という賞の目的は、現在の人類が直面している環境問題に対し、少なくとも50の解決策を見つけることにあるようだ。今から10年間にわたり、毎年5人づつを表彰する。
地球環境を守り修復するためのテクノロジーの開発や、環境保護への啓蒙活動が進むことになるといいよね。
【テレグラフ12月31日】「ウィリアム王子が史上最も権威ある環境賞のアースショット賞を創設」
「地球を持続可能にするためには10年間しか残されていない。ぞっとするようで、同時に歴史上最高の機会でもある」CIのCEOのサンジャヤンがコメント
https://t.co/ain3PUem0w @Telegraphさんから— CIジャパン (@CI_Japan) January 7, 2020
英大衆紙「デイリー・ミラー」が報じたところによると、ふたりが新たに設立したのは、「アースショット賞(The Earthshot Prize)」。環境問題に対して顕著な貢献をした人物、団体、コラボレーション、市町村、国に与えられ、対象となる分野も科学者、運動家、経済学者、政治家、企業と多岐に渡る。
ウイリアム王子は「今地球は分岐点に立ち、重大な選択を迫られています。それはこのまま無責任に我々の惑星にダメージを与え続けるのか、それとも我々人間が過去に様々な試練に立ち向かったユニークな英知を思い起こし、問題を解決するのかの2択です」と語りかけ、2020年代という新たな年代を「地球を修復する10年間」と位置つけている。
そして、深見東州先生が総裁の、世界開発協力機構も、その賞を応援するそうだから。
それと関連したニュースになるけど、国連環境計画(UNEP)の、2019年版排出ギャップ報告書によると、過去10年間、世界のGHG排出は平均年1.5%増加していて、現在の国ごとに決めた約束を実行しても、今世紀中に産業化以前より3.2℃温暖化するということだ。
それを1.5℃に抑えるには今後10年間に年7.6%、2℃以内だと年2.7%の排出削減をする必要があるそうだ。
今の各国の目標を、1.5℃に抑えるには5倍、2℃に抑えるには3倍に引き上げなければならないとしている。
It’s not about Meatloaf.
It’s not about me.
It’s not about what some people call me.
It’s not about left or right.It’s all about scientific facts.
And that we’re not aware of the situation.
Unless we start to focus everything on this, our targets will soon be out of reach. https://t.co/UwyoSnLiK2— Greta Thunberg (@GretaThunberg) 2020年1月6日
この グラフの予測が正しいとするなら、もし今後2027年まで、2018年の数値と同じ数値で排出量が推移した場合は、翌2028年には、いきなり排出量をゼロにしないといけないということになるよね。
もう対策は、待った無しのところまで来てる気がする。
2020年代という新たな時代は、そのあとにくる人類の暮らしがどうなるかを決定する、最後のチャンスになりそうだよね。