熊本、大分、九州北部の豪雨が、ようやく小康状態になっている。
行方不明者の捜索は、これからまだ、続いていくようだ。
このたびの豪雨災害に遭われた皆様に、心からお見舞いと、お悔やみを申し上げます。
=2012/07/15付 西日本新聞朝刊=
福岡、佐賀、熊本、大分の4県で最大計約8万7千世帯、約24万7千人に避難指示が出た。熊本、大分両県を中心に猛威を振るった梅雨前線は福岡県にも豪雨をもたらし、九州北部を巻き込む大型水害となった。
日本気象協会九州支社によると、15日は太平洋高気圧の勢力が強まり、福岡県の雨は小康状態になりそう。ただ大気の状態は不安定という。
気象庁によると14日午前、八女市では観測史上最多の1時間に91・5ミリ、柳川市で81・5ミリの雨量を観測。11日の降り始めから14日午後9時までの総雨量は熊本県阿蘇市816・5ミリ、大分県日田市656・5ミリ、福岡県八女市649ミリ。気象庁は15日、九州北部は大雨の影響で地盤が緩んでいるところがあるとして、土砂災害、河川の氾濫に警戒するよう呼び掛けた。大雨の峠は越えたが、16日にかけて局地的に雷を伴った激しい雨の降る恐れがある。
(2012年7月15日 読売新聞)
今回の豪雨では、大分、熊本、福岡、佐賀県の山間部を中心に時間雨量80ミリ以上の激しい雨が降り、雨水が集まる川の中下流部や支流で氾濫が相次いだ。
九州上空では11日以降、梅雨前線に南から湿った空気が流れ込み、雨雲が前線に沿うように次々に発生。九州山地などにぶつかって成長し、山間部に断続的に激しい雨を降らせた。今回は激しい雨が始まると3時間程度続くことが多い。
福岡管区気象台によると、11日の降り始めから14日午後4時までの合計雨量は熊本県阿蘇市で813・5ミリ、福岡県八女市黒木町で649ミリなど。7月の1か月間に降る総雨量の平年値の1・5倍前後になっている。
国土交通省九州地方整備局によると12〜14日、菊池川(熊本)、白川(同)、筑後川(福岡)、矢部川(同)、山国川(大分)の各水系の少なくとも18か所が氾濫。このうち、200年に1度の大雨を想定して整備された筑後川は、九州で最も治水安全度が高いとされてきたが、今回は支流を中心に氾濫が起きた。
福岡大の渡辺亮一准教授(河川工学)は「氾濫した川では、山間部からの雨水と、舗装されて土壌に水がしみこみにくい市街地からの雨水が合わさり、一気に容量を超えたのではないか。本流の水位が急上昇すると、支流からの水が流れ込みにくくなって支流もあふれやすくなる」と指摘する。
報道を見る限り、阿蘇山のある阿蘇市では、3日間で、なんと800ミリを超えると言う、桁違いの雨が降っている。
これがどれくらいすごい雨かというと、一辺が1メートルの立方体に、灯油などを入れる、あの20リットルポリタンクで水を40回いれた量。そんな大量の雨が、その地域全体に降ったことになる。
しかも阿蘇市は、以前ワールドメイトの神事で行ったことがあるけど、外輪山にぐるりと周りを囲まれて、真ん中に阿蘇五岳があるという、極めて珍しい地形のところだ。
そんなところに、それだけの雨が降り、さらに山から平地に雨が流れ込むわけだから、とても考えられないような状態になってしまうだろう。
そこに住む人が、かつて経験したことがない雨というくらいだから、数十年か、百年に一度の大雨だったのかもしれない。
阿蘇の外輪山の中から、唯一外に流れ出すのがこの白川。下流になる熊本市内に、大きな水害をもたらした。