大スターの貫禄というのか、オーラがスゴいなと思う。そこに出てきただけで、コンサート会場の空気が変わってしまう。
プラシド・ドミンゴの、74歳には到底思えない若い声には、心底驚くしかなかった。
今回はバリトン役のアリアを歌っていたけど、全盛時のテノールの声を生で聞けば、どれだけ美声だったのだろうと思ってしまう。
今でも信じられないような美声の、なめらかで柔らかい声を自在にコントロールし、表現を細やかにできるスーバーテクニックを持っている。
世界一のテノールのレベルを見たという感じがした。
しかも有名なアリアを歌う時には、ちょっとした演技をしてくれるので、それがまたとても良かった。
オベラで見ると、もっといいのかもしれないけど、いくつかビデオで見てその素晴らしさにほれぼれしていたので、今回歌ったアリアには全部引き込まれてしまった。
これが、オベラ芸術の最高峰を極めた人の持つ歌唱力、演技力なのだろうね。
ななかでも、ラ・トラヴィアータのジェルモンのアリアは、ジェルモンが娘のためにヴィオレッタに息子と別れてくれと懇願するところのアリアだけど、父親の娘の幸せを思う感情が歌からも演技からも伝わるところがさすがだなと思った。
ヴィオレッタ役のミカエラ・エステの歌と演技も良かった。
みんなが喜ぶようなミュージカルなんかもしっかりといれて、全体を楽しめる構成しているのがよくわかるコンサートだった。
深見東州先生は、主に最初とラストのアンコールで持ち歌を披露された。
今回は5000人びっしり入っていたけど、とても広い会場なだけに、マイクで歌曲を歌われるのを初めて聞いた気もする。いつもは生の声だからね。
深見東州先生もますます声がきれいになられている気がした。
アンコールの一番ラストでは、出演者4人全員で「故郷」など2曲を歌い、ドミンゴがみんなの肩を寄せ合って祝福してるようなボーズに、涙が出てしまった。
ドミンゴはホントにいい人なんだろうなと思う。こちらまで、とても幸せになれたコンサートだった。