アフリカを訪問中だった安倍首相も、急遽、予定を変えて帰国したくらいだから、台風10号はこれから相当な猛威を振るうと予測されているのだろう。
現在、台風が近づいている関東、東北よりも、西日本で豪雨になっているところがあった。韓国付近に、寒冷渦と呼ばれる低気圧があるためのようだ。
これから日本の広い範囲にわたって警戒が必要ということなので、祭事とも重なり、ワールドメイト会員も心配している人が多いと思う。
しかし、こんなにも変わった動きをする台風は、記憶にある限り初めてのような気がする。
そもそも関東沖で発生する台風も珍しいけど、それが南海トラフに沿うように南西に下り、フィリピンまで行くのかなと思ったら、そこからUターンして東北に向きを変え、初めの発生現場まで戻ってきた。
しかも、今後は北西に向きを変えて東北を横断するという予報が出ている。もし東北に上陸するということになれば、これも初めてパターンになるとのことだ。
台風が西北に進路をとること自体が珍しいからね。
(台風消滅後の動画を追加8/31)
天気予測の専門家も、ここまでの動きを、「通常ではあり得ない進み方だ」と言っているそうだ。
それだけならまだしも、日本近海も、南方の海も、例年よりも海水温が高温になっているため、台風10号はたっぷりと巨大化してしまった。一時は伊勢湾台風なみになって日本に上陸かと言われていたほどで、猛烈な台風にまで成長するとみられていた。
すでに影響が出ているけども、大型で非常に強い勢力を保ったまま、明日以降、上陸するとみられる東日本を始め、大荒れになるだろうと言われている。過去にないようなパターンなので、何が起きるか予測できない部分があるとも言われている。
北極に起源を持つ寒冷渦と、熱帯に起源を持つ台風の渦が、近接してしまうことから予測外のことが起きる可能性もあるようなのだ。
だから、すでに警戒態勢にあるとは思うけども、十分すぎるほど注意するに越したことはないと思う。ワールドメイト会員も、被害がないように祈る人もいるけどね。
ところで、今回のような珍しい現象も、地球温暖化の影響によって起きている可能性がある。
去年は、人類が本格的に化石燃料を使い出した産業革命の初期と比べ、過去最高の、約1.1度の上昇を記録したそうだ。
今年はと言うと、すでに7月までの時点で、1.5度近く上がっているそうだ。8月も暑かったし、このままいくと、NASAの気候学者ギャビン・シュミット氏が言ったように、「今年は99%の確率で新記録となる」可能性が現実味を帯びてきた。
昨年、画期的な合意となった「パリ協定」では、世界の気温上昇を産業革命前より2度未満に抑える目標を定めた。
加えて、1.5度未満に抑える努力も促している。それは、1.5度の上昇によって、洪水や暴風雨がいっそう増え被害が深刻になり、サンゴ礁など約3割の生物に絶滅の危険が高まり、「後戻りできないほどの影響をもたらす」と、国連のIPCCが予測しているからだ。
ちなみに平均気温上昇が2度になると、海面水位が2〜3メートル上昇し、グリーンランドの氷床と万年雪が消え、世界各地の海岸都市は消滅すると予測されている。
その危険水準とも言える1.5度の上昇に、早くも今年がなりそうなのだ。
今年に入っての各月の気温は、すでに過去の最高気温をことごとく更新してきた。中でも今年の7月は、観測史上最も気温が高い月になったそうだ。
少なくとも1950年以降で、地球が経験してきた最大級のエルニーニョ現象の発生が、その大きな要因の一つといわれている。しかし、その記録的なエル・ニーニョ現象もやっと終息に向かっている中で、世界の気温が上昇し続けていることに対する懸念を表明する専門家もいる。
さらに、ルイジアナ州における歴史的な洪水は、気温の上昇した大気が、どれほど日常的な気象事象を、より異常なものに変えてしまうかという事例になると語る専門家もいた。
8月中旬に、アメリカのルイジアナ州で、ルイジアナ史上最大規模の記録的な洪水が発生した。ここはカトリーナでも甚大な被害を受けた州だけど、今回の最悪の豪雨により非常事態宣言が発せられ、2万人が救助されている。
赤十字のブラッド・キーザーマン副代表は、「今回のルイジアナ州の大洪水は、2012年10月のハリケーン・サンディ以来、アメリカを襲った最悪の自然災害である」と言っていた。
一方、中国の陝西省でも同時期に大雨による洪水が発生していた。
また、その後も、アメリカのミズーリ州やインディアナ州など広い範囲で、降り続く大雨による洪水が起きている。
また、同様に8月下旬には、中国北西部の甘粛省でも大雨に見舞われ、各地で洪水が発生している。
中国では今年の7月半ばから、長江地域や東北地域などで豪雨による大洪水に見舞われていた。上海では、40度を超える猛暑が続いたそうだ。
ニューヨークでも、体感温度が43度を観測していたそうだ。
そして異常気象は、アメリカや中国だけではもちろんない。
フランスでも5月末から6月上旬にかけ、大雨による洪水が発生した。
約2万人が避難し、パリの中心を流れるセーヌ川もあふれた。ルーブル美術館は休館し、作品を移動するなどのニュースが流れていた。
インドでは、熱波が例年より早い4月下旬に発生し、5月中旬には観測史上最高の51度を記録している。
アラスカでも、7月に史上最高の気温を記録した。アラスカ州シシュマレフ村では、地球温暖化によって海岸が浸食され、生活が脅かされているため安全な場所への全村移住を問う住民投票が8月に実施された。その結果、移住希望者が、そのままで良いという希望者を上回ったそうだ。
そのように、今年は各国で異常気象の発生が目立つだけに、日本でも油断はできないよね。
英紙ガーディアンは『気候の非常事態』について科学者が議論し始めたと紹介しているそうだ。
気温の上昇は、豪雨や暴風による被害だけでなく、干ばつや乾燥による山火事など、様々な被害をもたらす。そして、最も怖いのは海面上昇かもしれない。
その海面上昇の予測に関しても、どんどん新しい研究成果が発表されているけど、氷床の融解による上昇が、あまり考慮されているとは言えない。
それは、極地の氷床が解けるメカニズムが不明なため、地球温暖化によってどれほど速く氷床がとけ出すのかを予測することができないからだ。
それでも過去の海面上昇の予測は控えめすぎるという結論になりつつあるのは、いろいろな研究発表を見ていて確実に感じる。それも、大幅に変わるかもしれないと警告する学者もいる。
ワールドメイトで懸念してきたことに、だんだん科学が迫ってきているようにも感じるけどね。