最近、また中国の大気汚染が酷いことになっている。
ただの濃霧かと思いきや、これが大気汚染と言うからおそろしいけどね。
NASAが公開した衛星写真によると、1月14日の北京は大気汚染で町の様子がぼんやりとしか見えなくなっていたそうだ。
特に恐いのが、工場の排煙や自動車の排ガスなどに含まれる直径2・5マイクロ・メートル以下の微小粒子状物質で、北京で一時、基準値の10倍以上、世界保健機関(WHO)指針値の40倍近くに達したそうだ。
これが肺の奥まで入り込んで、ぜんそくや気管支炎、肺がんを発症させるそうだ。
実際に、呼吸器疾患の患者が急増したということだ。
北京大などの調査だと、昨年だけで8600人がそれらの疾患で死亡したとするデータもあるらしい。
以前から大気汚染は酷かったようだけど、ここにきて自動車も激増しているから、今後はもっと酷くなるのだろう。
首都北京がこんなことでは、早晩、中国は衰退していくんじゃないのかな。
なにしろ外出を控える市民も多いと聞くし、これは、ぜんぜん仕事にならないよね。
本当に以前からワールドメイトでも懸念されていたけど、中国瓦解につながりかねないような深刻さだと思う。
こればかりは日本のせいには出来ないから、民衆が怒って立ち上がったら中国政府はどうするんだろうか。
もちろん中国政府も、何もしてこなかったわけではなく、1998年以降、北京の空気浄化に150億ドル(約1兆8000億円)の資金を投入(2007年度の時点)してきたそうだ。
大気汚染の原因とみられる200以上の工場の閉鎖、北京市外への移転、産業・家庭部門での石炭から天然ガスへのエネルギー転換などが行われたらしいけど。
その結果「空が青く澄んだ日」は年間100日もなかったけど、2006年には241日まで増加したという話も残っている。
それでも、4年前の北京オリンピックのときも、直前まで大気汚染は深刻だったよね。
なので近郊の工場の操業規制や、市内の交通規制をかなり強引に行い、随分改善はしたようだった。たしか人口雨も降らせていたはず。
その後はよくわからないけど、これだけ汚染が進んで、過去最悪になっているということは、何か致命的な問題があるのかもしれない。
大方の見方では、経済成長を重視するあまり、環境規制を無視してきたツケがまわってきていると言われているけどね。
製造業者は環境規制を守らず、地方当局もそれを厳しく監督していないらしい。
脱硫装置の性能は低く、稼働してさえいないとされているし。
これまでに日本とは、省エネや環境協力を前進させてきたそうだけど、その効果があまり出ていないように感じるけどね。
とにかく今後も日本に技術協力を求めて、環境汚染対策を強力にすすめないと、このままでは持たない気がするけど。
一般の中国人も大変だろうけど、日本にもその影響はまちがいなく来るからね。
九州大応用力学研究所の竹村俊彦准教授が「SPRINTARS」を使った大気汚染微粒子および黄砂の飛来予測」
日本にとっても、もはや、よその国の出来事では済まされない問題だよね。