ワールドメイトでは、日中、日韓の関係が、もうすこし良くなるように祈ってきた。
ただ中国や韓国が反日的な教育をするかぎり、なかなか根本的な改善は難しいだろうけどね。
ところでここにきて、日中、日韓のあいだで、いろいろな駆け引きが表面化している。
韓国はTPPへの参加を事実上決めたり、中国は東シナ海に防空識別圏を設定するなどの動きとなって出てきている。
これからどう展開するのか油断できないけど、結果的に日本にとって有利な展開になる可能性もある。今後の動きに注目だよね。
【ワシントン=今井隆】米知日派でブッシュ前政権の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めたマイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長は読売新聞の取材に、中国が東シナ海に防空識別圏を設定したことについて「日本に対する威圧であり、段階的な米国への挑戦だ」と批判した。グリーン氏は日米両国が中国に対する「抑止力」を高めることが不可欠とし、「集団的自衛権の行使を容認し、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直しを成功させることが必要だ。中国の挑戦を見ると、安倍政権は集団的自衛権の行使容認の決定を先延ばしせず、作業を加速しなければならない」と強調した。
中国の防空識別圏が韓国のものと重なったことを踏まえ、「今こそ日韓関係を立て直す時だ。困難なことかもしれないが、韓国に働きかけ、アジアの民主主義国同士が手を取り合うことが、中国に対する最大の抑止力となる」とも指摘した。
(CNN) 中国が東シナ海に「防空識別圏(ADIZ)」を設定したことにより、世界の3大経済国である米国、日本と同国の間で緊張が高まっている。空域の管轄だけでなく、島の領有も絡んだ複雑な問題だ。全体像を把握するためのポイントを整理する。
1.中国の「防空識別圏」とは何か
中国は11月23日、新たに設定した防空識別圏の海図と座標を発表。この空域を飛行する航空機が中国に通告すること、双方向の無線通信を維持すること、機体に国籍を明示することを求めた。国営新華社通信によれば、この規則は同日午前10時から施行された。
識別圏は沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)を含む東シナ海上空の広い範囲に及ぶ。
航空機が識別に協力しなかったり指示に従わなかったりした場合、中国は「防御的な緊急措置」を取るとしている。
2.そもそも「防空識別圏(ADIZ)」とは何か
ADIZ自体は新しい概念ではない。要するにそれぞれの国が領空の外側に設ける緩衝帯だ。
米国、日本など他国も、自国の領空と隣接する公空にADIZを設定している。ADIZ内を飛行する外国機は、領空へ入る前に識別に応じるよう求められることがある。
軍事情報誌IHSジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーのジェームズ・ハーディー氏によると、ADIZは一方的に設定されるため実際には法的根拠がなく、近隣諸国との交渉にも基づいていない。非友好的な航空機の接近を阻止するための早期警戒が目的とされる。
3.中国のADIZはどの島に影響するのか
中国国防省は新たな識別圏について、特定の国へ向けた措置ではないと説明した。発表された海図と座標によれば、尖閣諸島を含む東シナ海の上空に設定されている。
日本と中国はともに同諸島の領有を主張している。また中国の識別圏は、日本が1968年8月29日に設定した防空識別圏と一部重なる。中国海軍の関係者が新華社通信に語ったところによると、中国は日本の識別圏が違法だと主張している。
中国の識別圏には、中韓が管轄権を争う暗礁、中国名・蘇岩礁(韓国名・離於島)の上空も一部含まれる。同島には韓国が建設した海洋科学基地がある。
4.中国の近隣国はどんな反応を示しているか
日本は24日、中国の識別圏設定にはまったく効力がないとの立場を示した。外務省は「非常に危険な動き」と批判し、不足の事態を招く恐れがあるとの懸念を示した。
韓国国防省の報道官は、識別圏が設定されても離於島への管轄権に変わりはないと主張。韓国機は中国への事前通告なしでこの空域を通過すると述べた。
5.アジアの問題になぜ米国が関与するのか
米国のADIZの解釈は中国と異なる。新華社通信によれば、中国はこの空域を単に通過する航空機と、中国領空に入ろうとする航空機を区別していない。
だが米国のケリー国務長官は23日、「米国は領空に入る意思のない外国機にADIZの規則を適用しない」と強調。中国のような立場には同意できないと明言した。米国にとって中国の防空識別圏は尖閣諸島を巡る問題にとどまらず、公空の飛行の自由にかかわる問題でもある。
6.中国の防空識別圏に他国はどう対処しているか
米国が中国のADIZに強い不快感を示した後、米軍機2機が中国に通告せずに圏内を飛行した。
激しい非難の応酬も続いている。米国が中国の動きを「誤解と誤算の危険性を高める」と批判したのに対し、中国側は「無責任な発言だ」と反発した。
新華社通信の論説では、日米がすでにADIZを設定しているのに中国に同じことをさせまいとするのは不当だとの主張が展開されている。
韓国と中国の間では近く、両国のADIZが重なる問題を巡って、国防当局者による協議が開かれる見通しだ。
7.民間航空機は影響を受けるのか
中国の発表によると防空識別圏の規則はすべての航空機に適用されることになっているが、詳細は明らかでない。
法律上、民間航空機が中国に事前に通告する必要はないとみられるが、安全を期して通告した方がいいとの見方もある。
一方、日本航空と全日空は27日、識別圏内を通過する便について、中国が求める飛行計画は提出しないとの方針を示した。
8.そもそも尖閣諸島の問題とは何か
中国が主張する領有権は、尖閣諸島が漁民の拠点となっていた15世紀までさかのぼる。
しかし日本は、1885年の調査で中国の支配が及んでいる形跡が見当たらなかったとして、1895年に領土に編入。1932年に開拓者の親族に払い下げた。45年、敗戦とともに尖閣諸島も米占領軍の管轄下に入ったが、72年の沖縄返還にともなって日本に返された。
新華社通信によれば、日中両国は78年、尖閣問題の棚上げで合意したとされる。
日本政府が昨年、尖閣諸島の一部を地権者から買い取った後、中国で激しい反日デモが起きて緊張が高まった。
9.尖閣諸島の何がそれほど魅力的なのか
単なる岩の塊に見える無人島だが、領有することで油田や鉱床の開発権、周辺海域の漁業権を独占できる。
韓国が、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する意欲を表明した。
TPP交渉が年内妥結に向けて大詰めを迎えている段階で、韓国が参加へ動き出したのは、ライバルと目している日本に貿易自由化で後れを取るのではないかとの危機感があるからだ。一方、日本にとっては、韓国向け輸出が増えるとの期待もある。
◆効果
韓国政府によると、韓国がTPPに参加した場合、TPP発効から10年後に実質国内総生産(GDP)を2・6%押し上げる効果がある。一方、参加しない場合は、日本など他国の貿易が盛んになるため、韓国のGDPは0・19%押し下げられる。
韓国内では、TPPに参加すれば安い農畜産物の輸入が増え、農業などが打撃を受けるとの懸念は根強い。しかし、最終的には「失うものより得るものが大きい」と判断した。
韓国の2012年のGDPは約1兆1558億ドル(約118兆円)。韓国がTPPに参加すれば、参加国のGDP合計は全世界の40%を占めることになり、TPPの存在感が高まる。
(2013年11月30日10時41分 読売新聞)
それにしても、最終的には良い関係にならないと、互いの国益にならないと思うけどね。