中国の大気汚染に関する話題は尽きないけど、もうひとつだけ怖い話を紹介。
ワールドメイトの神事でもテーマになったことがある地球温暖化や異常気象に、中国の大気汚染がどれほど関わっているのか、よくわかる研究を発表した人がいる。
巨大嵐、大寒波…中国の大気汚染が原因 地球の裏側まで影響、衝撃広がる
中国で深刻化している微小粒子状物質「PM2.5」などによる大気汚染が、北半球における異常な巨大嵐や大量降雨、大寒波などの重大な気候変動の原因になっているとする研究論文が16日までに、全米科学アカデミー紀要に発表された。論文は、昨年末から今年初めにかけて米国の東部を襲った異常な寒波にも影響していると指摘した。大気汚染が人体に深刻な影響を及ぼすことは多数報告されてきたが、地球規模の異常気象との関係が科学的に指摘され、衝撃が広がっている。
■米科学者らが解析
「(北半球で発生した)分厚く巨大な雲やおびただしい降雨を伴う嵐は、大気汚染の結果として生み出されたものだ」
研究論文の主著者で、米カリフォルニア工科大学ジェット推進研究所のユアン・ワン博士研究員はこう断言し、北京を中心とする中国の大気汚染が気候変動に重大な影響を及ぼしているとの認識を示した。
英BBC放送や米CNNテレビなどの報道によると、米国のテキサス、カリフォルニア、ワシントン各州から集まった科学者が研究チームを結成。中国のほか、インドなどの新興国で排出量が増加している、石炭火力発電所や自動車からの排ガス、空気中の微小粒子状物質などが大気に与える影響を最新のコンピューター技術で解析した。
論文では、異常気象の原因として、排ガスや微小粒子状物質から生まれた大気中を浮遊する粒子状物質「エアロゾル」を挙げた。エアロゾルは雲の元になり、大量に発生すると、嵐も巨大化するとしている。
さらにエアロゾルは日光を吸収するため、温室効果によって地球の温暖化と冷却化の両方の作用をもたらすという。
■地球全体に広がる恐れ
論文では、こうした現象が複合的に作用し、北半球の中緯度の地域でより巨大な嵐やより多量の降雨をもたらしている可能性を指摘。さらに、北極へ流れ込む空気の流れもより速くなっているとし、北極からの寒気の吹き出しがもたらした米国での異常寒波との関係も指摘した。
ワン博士研究員は「米国やカナダを含む北半球の中緯度の地域で起きた異常気象と関連づけることができる」と明言。テキサスA&M大学で大気科学を専攻するレンイー・チャン教授は「米国で異常気象が起こっていることはほぼ確実で、さらなる研究が必要だ」と語った。
このほか、論文は、エアロゾルは嵐やモンスーンに乗って、地球全体に広がり、より広範囲な気候変動を招く恐れもあると警告した。
中国は、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの世界最大の排出国。CO2だけでなく、PM2.5による大気汚染そのものが、より直接的に気候変動の原因となっている可能性があり、世界的に改善を求める声が一段と高まるのは確実だ。
ということで、ちょうど1年前に発表されたものだけど、結局それから改善しようという動きはあっても、結果に繋がってはいない。
北京でのAPEC開催の期間中だけは、北京周辺の数千社の工場を操業停止にしたり、交通量を減らすことを目的に役所や学校を休みにしたり、大気汚染対策に躍起になったそうだけど、そのあとはまた元通りになっている。
北京市では先月の春節(18日深夜から19日朝に)に、花火や爆竹の使用もあり、深刻な大気汚染に見舞われていた。最悪レベルの「危険」(301〜500)になっている。
日本もかなりヤバイことになっている。
ところでその中国で特に問題だと言われているのが、山西省など、官僚と癒着した非合法のヤミ炭鉱の存在らしい。
このヤミ炭鉱から産出される石炭は、ひときわ硫黄含有率が高く粗悪なために、大気汚染をいっそう深刻にしているそうだ。
それに昨日書いた中国政府の意向がからむと、今後どれくらいまでに改善できるのか?そもそも見込みがあるのかないのかさえも不安になる。
中国の環境観測機関が、大気汚染解消には20〜30年はかかるとの見通しを発表したそうだけど、もしすぐに最先端技術を導入し、奇跡的な環境改善を行っても、それでも15年〜20年かかる計算らしい。
そんな恐ろしいレベルまで来ているのが中国の大気汚染なのだろう。
あの大気汚染告発動画の発表が、解決に向けてのきっかけになって欲しいけど、今後に注目するしかないよね。
ワールドメイトでも祈り続けようかな。