ワールドメイトの灯籠流しは続いているけど、中国の天津でおきた大爆発は、予想以上の大惨事になっている。
昨日の報道では死者112人、不明者95人ということだ。
最初にあの爆発の規模を見たときに、これはただ事ではないと思ったけど、やはりそうだった。
犠牲者は、おそらくまだ増えるのではないかと言われている。爆発の影響で入院した人は、重体を含めて700人を超えているそうだ。
tianjin explosion broken window!!
爆発が起きた倉庫やコンテナ集積場には、黒色火薬の原料となる硝酸カリウムや、水をかけると高い熱を発する水酸化ナトリウム、猛毒の青酸ナトリウム、シアン化ナトリウムなど、7種類程度の化学物質が保管されていたという。
シアン化ナトリウムは水や酸などと反応すると、有毒で引火しやすい青酸ガスを出し、また吸い込むと、呼吸困難を引き起こし、数秒で死亡することもあるそうだ。
そのため爆発現場の半径3キロ以内から緊急避難するよう命じるなど、消化作業、救出作業も困難を極めたようだ。
消防士の放水が原因の可能性もあるといわれている。
2度にわたる爆発の規模は、合計でTNT火薬約24トン相当だったと推計されているそうだ。
中国の法律によれば、危険物専用倉庫は住宅街から1キロ以上離れなければならないとの規定があるそうだけど、今回の爆発が起きた倉庫の1キロ以内に、大きな団地が複数あるなど、倉庫建設の許認可をめぐり、贈収賄などの不正があった可能性も言われている。
原因究明や事故責任の所在は不明で、インターネット上では、爆発を起こした企業が中国共産党の元幹部や天津市当局と密接な関係にあったとの情報も流れている。
市当局も、国内外メディアへの記者会見を実施しているけど、消防隊による放水が化学物質の爆発につながったと指摘される点や、危険物の倉庫設置を許可した責任に関しては、あいまいな態度だという。
また、中国当局が、噂を流しているとして、多数のウェブサイトを停止させたため、近隣住民や死傷者の家族らは強く反発しているそうだ。
専門家の話では、このような事故が中国では多く発生してきたにもかかわらず、歯止めがかからないのは、利益追求を最優先する企業側の安全対策軽視、官僚組織の低いチェック能力、企業側と官僚組織の癒着があるからとしている。
結局は、そこに行き着くんだなと思った。
この天津市と港湾は、貨物量で世界10指にいる巨大港で、中国では上海や深センに次ぐ規模をほこり、北京大都市圏を中心とする中国北部地域の物流にとって非常に重要な拠点となっている。
また、この地区には中国人所有の製造工場のほか、航空防衛大手のエアバス・グループや米小売り大手ウォルマート・ストアーズなど、欧米の大企業も工場や配送センターを経営しているそうだ。
それらの工場は、商品の輸出や鉄鉱石・石炭・石油の輸入に天津港を利用している。
また、中国最大の自動車輸入港の一つでもあるそうだ。
今回の大規模爆発の影響で天津港全体の機能がほぼ止まっているため、日本企業の貿易も滞り、中国経済にも悪影響が出るのではと懸念されているようだ。
すでに株式暴落など、失速が言われている中国経済だけど、日本は数年前の尖閣諸島のこと以来中国離れが進んでいるそうで、影響は小さいという専門家も多い。
逆にGDPに占める輸出の比率で、商品・サービスの最終需要を高い比率で中国に依存する韓国、あるいは台湾、マレーシアなどが、非常に苦しくなると言われている。
とは言っても、日本にとっても、巡り巡ってかなりの痛手にはなると思うけどね。