ワールドメイトっぽい日々

「イリアス」からトロイア戦争

前回の続きだけど、こうやって絵画を交えながら、ギリシャ神話の神様に思いを馳せると、神様との距離が近くなる気がしてくるよね。

それにしてもギリシャ神話に登場する神々は、随分と感情豊かな神様で、まるで人間とそっくりだよね。

ワールドメイトでは、神様も人間と同じように人格をもっている、というお話を聞いているけど、ギリシャ神話の神様を見ると本当にそうだと思える。

とりあえず今回も、ギリシャ神話からトロイア戦争の場面を絵画を交えて紹介しようかな。

前回は、アルテミス女神の怒りを鎮めるために、イピゲネイアが自ら犠牲になったところまでだった。

そもそもなぜ犠牲にならないといけなくなったかというと、ギリシャ軍の総大将となったアガメムノンが出征前に狩猟に出かけ、「自分の狩猟の腕前にはアルテミスもかなうまい」などと言ってしまったために、アルテミス女神の怒りを買う羽目となり、それでギリシャ船が進めなくなったからなんだよね。

 

これは、そのイピゲネイアの悲しみのシーン。アルテミス女神の怒りを鎮めるために、すすんで犠牲になる道を選ぶ。

 

そのイピゲネイアの母であり、アガメムノンの妻であるクリュタイムネストラは、この戦争の原因となった世界一の美女へレネと双子の姉妹の姉にあたる。

やはりものすごく美貌だったらしく、もともとは愛する主人がいたのに、美貌のクリュタイムネストラを欲しがるアガメムノンに主人を殺され、その妻になっている。

イピゲネイアは、その殺された主人との間に生まれた子供だった。その愛娘までが今回犠牲になったわけだよね。

このクリュタイムネストラの悲しみと憎しみは、想像に難くないよね。

 

話は戻るけど、クリュタイムネストラとヘレネの母レダは、スパルタ王の妻だったけど、ゼウスが白鳥に変身して接近し、レダは身ごもって卵を二つ生むことになる。

そのうちのひとつから生まれたのが、この双子の姉妹だそうだ。ということはゼウスの娘になるよね。

これが、そのレダと白鳥に化けたゼウスの絡みのシーン。レダもやはりたいへんな美女だったそうだ。

 

さて、アガメムノーンを総大将とするギリシャ軍は、トロイア近郊の浜に上陸し、いよいよトロイア戦争がはじまった。

ギリシャ軍は、アキレウスなどの活躍でトロイア軍を撃退し、トロイア軍は、トロイア王プリアモスの長子ヘクトルの指揮の下、強固な城壁を持つ市内に籠城する。

両軍は、海と市内の中間に流れるスカマンドロス河を挟んで対峙し、双方に犠牲を出しながら、やがて九年の歳月が過ぎてゆく。

あの有名なホメロスの長編叙事詩「イリアス」は、ここから物語がはじまる。

 

トロイア戦争が10年目になるとき、アガメムノンが戦利品として我がものにしていたアポロンの神官の娘であるクリュセイスを返してほしいと、アポロンの神官クリューセースがギリシャ陣営に頼みにやってくる。

しかし、侮辱を受けたうえに拒絶される。そこでクリューセースはアポロン神に、相手に災いが降りかかるように求めて祈ると、ギリシャ軍に疫病が流行だす。

こちらはアポロン神

 

疫病に苦しむギリシャ軍は、これを鎮めるにはクリュセイスを返すしかないと、アキレスが提案する。アガメムノンも渋々これを承知するものの、代わりにアキレウスの戦利品として現地妻になっていたプリセイスを引き渡すように言い張る。

 

これはオデュッセウスが、クリュセイスを返しにいくところかな。

 

アキレウスも、このアガメムノンの要求には怒った。当然だよね。もともとアガメムノンの兄弟のために戦っているような戦争だから、いいかげんにせいと、いいたくなるだろうね。

ところがこのアガメムノンは、アキレウスがいなくてもギリシャ軍は戦えると言ったものだから、アキレウスもいよいよ腹を立てて剣を抜こうとする。

そのときアテナ女神が密かに仲裁にはいって、アキレウスをなだめて制する。

ののしりあうアキレウスとアガメムノン。背後にアテナ女神が。

 

結局アキレウスは、「いずれこの俺がいないことを後悔するぞ! あんたには金輪際、従わん!」 と捨て台詞を吐いて決裂し、これ以後戦いに加わらなくなる。

これは、アガメムノンのところにつれてこられるプリセイス。戦争によって、女性の運命は翻弄されてしまうよね。

 

アキレウスはアガメムノンの仕打ちに怒り、母テティスに祈り、ゼウスがトロイア軍の味方をすることでギリシア勢を追い詰めさせ、アキレウスがいないことを後悔させることを願う。

テティスは、息子のアキレウスが戦死する運命と予言されていたから、せめて望みを叶えてやろうと請け合い、ゼウスのところに頼み込みにいく。そして、ゼウスもこの願いを受け入れる。

ゼウスのテティスを見る表情が優しいよね。テティスの触れる手と眼差しが、ゼウスの心をくすぐったのかな。

 

もともとゼウスはテティスには弱いようだ。なぜなら、昔ゼウスとポセイドンは、テティスを我が妻にと望んだくらいだから。

しかしプロメテウスの「テティスは父より優れた子供を産む。ゼウスとテティスが交われば、生まれてくる子供はゼウスを凌ぐ力を持つようになり、いずれゼウスを天界から追放してしまうだろう」という予言のためにゼウスはあきらめたんだね。

だから、せめて息子の名誉を願う彼女の頼みを聞き遂げようとしたのかな。

 

ゼウスはさっそくテティスの願いを叶えるため、アガメムノンを夢でまどわし、「オリュムポスの神々は皆ギリシア勢の味方をすることになったから、全軍で攻め寄せればトロイアを攻め落とせる」という夢を見させた。

アガメムノンは、すぐにでもトロイアを陥落させることができると思い込み、総攻撃を決意する。

このとき、ヘレネを誘拐して戦争を引き起こした張本人のパリスは、ギリシア軍に向かって「一騎打ちをしよう」と挑発する。

すると、妻ヘレネを奪われたメネラオスが、復讐の機会とばかりに彼の前に躍り出る。

それを見てパリスは急に怖じ気づいて、逃げてしまう。

さすがに兄のヘクトルも、「この腰抜け」と弟パリスを罵倒した。

するとパリスは「私とメネラオスで一騎打ちをして、勝ったほうがヘレネと奪った財宝を取ることにしたい」と申し出る。

アガメムノンもこの話を呑み、両者は一騎打ちを行うことになる。

 

ヘレネは、パリスとメネラオスの新旧の夫の一騎打ちを、城内から見ることに。どういう気持ちで見ていたんだろうね。

 

一騎打ちが始まる。

メネラオスの放った槍がパリスの楯を貫き、パリスは脇腹を痛める。

メネラオスはパリスの兜めがけて剣を振るうものの、剣が砕けてしまう。

そこでパリスの兜を引っつかみ、自陣へと引きずってゆく。

これで勝負はついたわけだが、アプロディーテが兜の紐を切ってパリスを救う。そしてパリスを隠し、城内に退却させる。

しかしメネラオスの勝利は明白だったので、アガメムノンは、約束どおりトロイアはヘレネと財宝をギリシアに返還し、これで終戦にしようと申し入れた。

トロイア総大将のヘクトルも、誓い通り戦いの結果を尊重し、これに賛成した。

ところが、それではテティスとの約束を果たせなくなると思ったゼウスは、アテナ女神に命じてトロイア陣中へと紛れ込ませ、弓の名手パンダロスをそそのかし、メネラオスめがけて遠矢を射させた。

ここに和平の誓いは破られ、再び戦闘が始まることになる。

 

これは一騎打ちのあと、のんびり武具の手入れをしていたパリスを見て「他の男たちがお前の為に命を落としているのに見苦しい」と叱り飛ばす兄のヘクトル。真ん中はヘレネ。

 

再びパリスとともに戦場に出陣しようとするヘクトル。

ヘクトルの妻アンドロマケがそれを見つけ、走りより、 涙を流しながら夫ヘクトルに訴える。

「万一あなたを失うことになったら、墓の下に入る方がずっとましです。あなたが亡くなったら、私にはもう何の楽しみも残りません。どうか哀れと思って、このままここに残り、子を孤児に、妻を寡婦にしないでください」

それに対しヘクトルは 「わたしは父上の輝かしい名誉のため、また私自身の名誉のためにも、常にトロイア勢の先陣にあって勇敢に戦えと教えられてきた。だが、いずれは聖なるトロイアも滅びる日が来ることを知っている。わたしはそなたが敵にひかれながら泣き叫ぶ声を聞くより前に、死んで土の下に埋められたい。」と言った。

そして、乳飲み子の息子を抱こうとする。

鎧をつけているヘクトルを怖がり、乳母の方に逃げる子のアステュアナクスをみて、思わず微笑む妻アンドロケマ

 

ヘクトルはすぐに兜を頭からはずすと、わが子に口づけし、腕に抱いて揺すった後、ゼウスを始めもろもろの神に祈る。

「どうかこの子も私のように、トロイア人の間に頭角を現し、力においても私同様に強く、武威によってトロイアを治めることができますように。また何時の日か、戦場から帰ってきた彼を見て、『あのお方は父君より遥かに優れたお方じゃ』といってくれますように。」

こういって愛する妻の手にわが子を渡し、妻は涙に濡れた顔で、笑いながら懐に子を抱いた。それを見て哀れを催し、優しく妻をなでてやるヘクトル。

これはそのシーン。ヘクトルは勇敢で聡明で心優しい人物だったんだろうね。

 

このヘクトルも、最後はアキレウスに討たれるけど、この時代の英雄だったといえる。

それにしても、この頃は、神様を怒らすと大変だったんだね。逆に味方に付けると、とても心強そうだけど。

まあ、今もそうなのかもしれないけどね、でも、日本の神様だったら、もっとおおらかだと思うけどね。

西洋と日本の神さまは、個性がかなり違うとワールドメイトでも言われていた。

この物語の続きは、また今度。

 

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